干菓子
干菓子(ひがし)または乾菓子(ひがし)は、水分の少ない乾燥した和菓子の総称。
生菓子の対。
Wikipediaより
昔は苦手で、もらっても嬉しくない和菓子でした。
ですが、数年前に干菓子の食べ方を教えてもらい、干菓子の世界がガラッと変わりました。
今では個人的に購入するくらい好きな和菓子です。
昔は苦手だった和三盆の干菓子
和三盆は四国東部で作られる砂糖の一種。
粒子がとても細かく、口どけの良い砂糖です。
これを小さな型に入れて固めたのが干菓子の和三盆。
一口サイズの物が多いです。
初めて見た時は小さな飴玉のような大きさだったので、そのままポイっと口に入れました。
甘い。
甘すぎる。
口の中が変に甘くなるし、パサパサしているので口の水分が持っていかれる。
何かただの甘ったるい砂糖の塊、といった感じでした。
それ以来、もらっても嬉しくないお菓子上位にランクインしており、和菓子屋では定番のように売られているのですが、誰が買うのかが疑問なお菓子でした。
和三盆の和菓子には「食べ方」があった
そんな和三盆の干菓子嫌いをコロッと変えてくれたのはいつも行く地元のお茶屋さん。
喫茶室もあり、いつも地元に行った時に寄っていました。
そこのお茶セットに一緒に出てきたのが和三盆の干菓子でした。
しかも小皿に3個も乗っている。
残すのはもったいないから頑張って食べるか・・・と思っていたらお店の方に言われたのが
干菓子はちょっとだけかじって、少しずつ食べるようにしてください
干菓子はだいたい一口サイズでいつも1個をそのまま口に入れていたので、ちょっとだけかじる、ということを初めて知りました。
そこで、言われたとおりに前歯でちょっとだけ削るように口にしました。
ほんのり甘い。
そして、口に入れたと思ったらスーッと消えていったのです。
溶ける、というよりも消える。
浜辺で波がスーッと引いていくときに、砂も一緒にスーッと引いていく。
そんなイメージの消え方です。
チョコレートでも口どけの良いチョコレート、というものがありますが、あれでも脂肪分が舌の上にちょっと留まってから無くなる感じです。
和三盆は留まらない。
舌の上に乗って、ちょっと甘味を味わっていたらいつの間にか消えているのです。
いつの間にかリラックス
そうやって和三盆のスーッと消える口どけを感じ、ちょっと舌が甘ったるくなったらお茶を飲んで、お茶の苦味と甘さを感じながら舌をリセットする。
口どけを感じながらちょっとずつかじっているので、一口サイズの大きさしかないのに食べ終わるのにかなりの時間がかかります。
ですが、味わうことに時間をかけていると、ものすごくゆっくりと時間を使うことができるのです。
この「ゆっくり」が日々忙しくしている現代人に欠けているもの。
いつのまにか気持ちが落ち着いていくのを感じます。
そして、ものすごくリラックスしていくのです。
和三盆の口どけを集中して感じ、お茶を味わって、リラックスする。
「今」あることに集中して気持ちを落ち着ける。
これ、マインドフルネスじゃない?
呼吸法でもなかなかマインドフルネスができなかった私。
まさか、和三盆でマインドフルネスを理解するとは。
私が今回買った和三盆の干菓子は16個入りで800円。
こんな小さいのに800円って高くない!?
と思ってしまうのですが、干菓子は1回当たりで食べるのは2、3個程。
つまり、1回あたり150円ほど。
コーヒー1杯くらいの値段でこの上なくリラックスできるなら、むしろコスパは良いように思います。
乾燥しているので日持ちもします。
今では友人にも和三盆の干菓子を布教中です。
とは言っても砂糖なので食べすぎは良くないで注意が必要です。
今まで和三盆の干菓子に良いイメージがなかった方にも、一度「ちょっとずつかじって食べる」方法で挑戦してみて欲しいです。
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